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社長コラム:PRESIDENT’S COLUMN

vol.026プロ野球キャンプイン、ふと思うこと

今年もプロ野球のキャンプシーズンが始まった。世間でも2月というのはお正月のおとそ気分も完全に抜け、新たな年のスタートに本腰が入る月であるともいえよう。

ドームとプロ野球選手との付き合いが始まったのが今から約4年前。当時はキャンプ地を訪問しても、入場お断りであったり、結局何もできずにすごすごと帰ってくることもしばしばであったが、やはり近年のアンダーアーマーとDNSの球界への浸透率は凄まじく、今ではどの球団に行っても歓迎してもらえることが多くなってきた。当時は「出入り禁止!」という大変厳しいご評価をいただいたりしたこともあったが、もはや隔世の感は否めない。やはり「いい商品」を持っているとお得だなあ、感じる瞬間である。

アンダーアーマーを着て練習に励む選手、汗を拭いながらDNS「Pro-X」を飲んでいる選手、背番号がマジックで書かれているDNSプロテインのボトルなどを見ると「4年前」というのが本当に遠い昔のようにすら感じてしまう。

昨年、某球団の関係者の方に「ドームさんは本当に不思議な会社だね。俺はこの業界に30年もいるけど、こんなに急に一つのメーカーさんがプロ野球界に入ってきたことは記憶に無いよ。それにDNS。ちょっと前まではメーカーさんが球団向けに試供品を大量に支給して、選手たちが勝手にそれを飲んだりしていたけど、継続したためしがない。それなのに、DNSは選手たちが継続して飲んでいるどころか、みんな買っているそうじゃないか。いったいどこが違うんですか?」と聞かれたことがある。

突き詰めて回答しようとすれば「いい商品」である、という点に尽きるだろう。「いい商品」を持っていると「紹介したい」「売りたい」という本能的な意欲が湧き上がってきて、意欲が熱意となり、選手たちとの密なコミュニケーションが生まれる。そしてその結果が「ドームさんは不思議な会社だね。」というありがたい評価になって現れるのだろう。

「いい商品」とはとりも直さず、自分が自信を持って他人に薦める事ができる商品といえよう。「商売」の原点とはとにかく「いい商品を作る」ことに端を発する。そしてそれが「売りに行ってみる」だったり、第三者が「見つけてくる」であったり「運んでくる」、更には「真似して作ってみる」などの付加価値や競争性といった要素を含みながら驚異的な速度と広がりをもって「商売」は発展していく。

ではその「いい商品」であるための不可欠な要素とはいったい何であろうか? 僕が回答するのであれば、それは「驚き」と「感動」である、となる。

「地方の特産物」や「舶来品」などという言葉は、今ではあまり使われなくなってしまったが、商売の原点を考える上で、極めて重要なキーワードである。例えば私の大好きな明太子、詳しい歴史は知らないが、一般的にはこれは福岡の名産品として知られている。でも、今では日本のどこへ行っても明太子を探すのに苦労するということはないであろう。しかしながら、かつてはそれこそ「地方の特産物」であり、福岡では誰もが数十円などという価格で普通にお母さんが買って食卓に並んでいたりした物を、他の地域からきた訪問者が「これは美味い!」と「驚き」、その味に「感動」して「これはウチのお袋に食べさせてあげたい!」と思ったり「これをもって帰ったら友達に自慢できる」と思ったりする所から商売はスタートする。

もちろん、商売にしようと思ったら、他の地域まで運んで来なければならないわけで、運賃分の付加価値であったり、その土地での希少性から更なる価値を加えていき、50円でも60円でも「売れる」という商品になる。しかしながら、他にもたくさんの人々が福岡に行っているわけだから「じゃ、俺も... 俺は40円で売ろう」などと考える人が雨後の竹の子のようにワンサカ出てきたりする。その中の誰かは「こんなに美味いんだから、絶対に売れる。わざわざ運ぶのは面倒だから俺の土地で生産して、もっと大量に販売しよう!」などとなったりする。そうこうしているうちに鉄道や飛行機が開発され、冷蔵技術が発達し、流通網が整備され... などなどの社会インフラ整備の影響を受けながら、それぞれの商売人の間で競争・淘汰がなされ、結果的に「特産品」は「普通の商品」になり、大きな商売に発展する。ただ商売とはそれだけでは終わらず「明太子入りもんじゃ焼き」であったり「明太子スパゲティー」であったり「明太子せんべい」や「明太子プリッツ」にまで進化を遂げ、最終的には商売の域を超えて新しい食文化を作ったりする。

色々書いては見たが、とにもかくにもその原点は「明太子」が「いい商品」であるということである。僕も初めて「明太子」を食べた日のことを明確に覚えている。明太子だけでなく、初めてザーサイを食べた時も、トロを食べたときも... 反対にミョウガを食べ、あまりの青臭さに瞬間的に吐き出した日のことも明確に覚えている。その背景にあるのは常に「驚き」と「感動」であった。ミョウガの時は驚きこそすれ、感動はしなかったが、なぜ親父やお袋はこんなものを美味そうに食べるのか、といった興味は尽きなかったし、なんとなくうらやましい気持ちにもなったりした。そんな興味から何度か「トライ」を重ね、最終的その美味しさに気付いたときはやはり「感動」した。

明太子もザーサイもピリッと辛く、子供の僕にはかなり刺激的であったが、食べ進んでいくウチに「ご飯」とのベストな「調合量」を覚え、最終的には「美味い!」と「感動」した。若干のタイムラグはあるにせよ「いい商品」は最終的に必ずや感動を生むのである。

『アンダーアーマー』を初めて見たのが今から7年前。ドーム創業後間もない頃、僕はドームの経営だけでは生活が心細く、アメリカンフットボールの社会人チームで、コーチとして「アルバイト活動」していた。そしてその当時、米国アメリカンフットボールリーグ、NFLヨーロッパにおいて、日本人代表コーチの募集があり、たまたまそれに応募・合格し、給料もそれなりもらえることもあって、ドームの経営は専務の今手義明に任せ、約4ヶ月の「プロコーチ」生活を送った。米国内での1ヶ月のトレーニングキャンプを終え、リーグ戦の行なわれるヨーロッパに移動、試合の始まる1週間前のロッカールームで『アンダーアーマー』は支給された。

「なんだこれ... スゲーかっこいい。」

正に「驚き」であった。「衝撃」と言っても過言ではない。それはロッカールーム内にいる選手達もほぼ全員が同じような印象を持ったようである。とにかく一秒でも早く「着てみたい」という衝動に駆られ、仲の良かった選手に「着させてくれ!」と頼んでみたが、誰もが「No!」という回答だった事からも選手達の感じていた「驚き」が計り知れる。他の帽子や普通のチームTシャツなんかはダレカレ構わずあげているにもかかわらず!

選手達には1枚ずつ、ヒートギア0039フルTシャツとターフギア0032ロングスリーブターフシャツが配られたが、当然、コーチには提供されるはずもなく、チームの用具担当マネージャーに頼み込んで一枚用立ててもらった。その時の用具担当マネージャーの「これはアメリカでもまだ誰も着てない貴重品だぞ。ウチのチームにもまだそれほど入荷しているわけじゃない。絶対に人気が出るアイテムだから今からしっかりと管理しないと...」と意味ありげに語っていた顔が今でも記憶に新しい。そのマネージャーの予感どおり、アンダーアーマーは選手達から連日のように「もう一枚くれ!」という「攻撃」にあい、瞬く間にチームの在庫はなくなってしまった。

とにかく、やっとの思いで「仕入れた」一枚の0039フルTシャツに袖を通した瞬間は正に「感動」であった。色々な思いが頭によぎり、完全な興奮状態に入ってしまった。まず最初に思ったことが「何でこんないいシャツが俺の現役選手の時代に無かったんだ!」という悔しさである。そしてほぼ同時に「日本の選手達、後輩達に着させてあげたい!」といういささかお節介な激しい欲望が込み上げてきた。

ひんやりとした肌触りがとにかく最高で、生地の薄さ、伸縮性の高さと相まって本当に動きやすく、正に「戦うためのギア」であると感じた。また、機能だけを追求して開発されるF1マシンが独特の美しさを自然と兼ね備えるのと同様に、選手達の鍛え上げられた身体を包み込んでいる、純白で胸にワンポイントのロゴが入っているだけの極めてシンプルな『アンダーアーマー』は、今まで見てきたどんなTシャツよりも美しく輝いて見えた。

その後、商売としての歴史は上述の「明太子」の話とそうは変わらない。とにかく「驚き」と「感動」をできるだけ多くの人々に伝えたい、そんな気持ちが今でもドームの商売の原点になっている。「いい商品」があるから自信を持って人に紹介できる。「いい商品」を「いい選手」に紹介したい。その一心で駆けずり回っていたプロ野球キャンプがほんの数年前である。今では、チームによっては「アンダーアーマーだらけ」であったりするし、知らない選手から挨拶されたりもする。新商品のバッティンググローブもウォームアップも絶好調なのである。何より、アンダーアーマーのロゴの付いている商品の数々を選手達が誇らしげに着用している姿を見るのが、なんとも嬉しくてたまらない。

アジアの内陸部を横断しヨーロッパまで続いた古代の東西通商道路「シルクロード」。その道は「商売」を通じて、様々な文化の交流を担い、人々の心の交流を大陸の上で貫き、世界各地の人々の生活を豊かに彩っていった。「商売」とは正に「驚き」と「感動」を運ぶ文化の架け橋だと僕は思っている。

世界一の小売業である米国ウォルマートの社長、リー・スコット氏があるテレビインタビューで「僕は物を売るのが大好きなんだ。自分がいいな、と思って薦めたモノを他の人が買ってくれる瞬間がたまらなく楽しい。そんな商売の楽しさを感じることがウォルマートの成長の基本的な力なんだよ。」と最高の笑顔を見せながら語っていた。

「驚き」「感動」がロマンを生み、文化を育む。商売人たちの「お買い上げいただき、誠にありがとうございます」の笑顔が、人々の生活を豊かに彩っていく。

「グローバリゼーション」「ベンチャー」「ビジネスチャンス」... などなど、今の時代、産業界には色々な〝横文字〟が飛び交うが、僕はなんとなく人間としての温かみを感じさせる「商売」という言葉の響きが大好きだ。日々、溢れる笑顔で「お買い上げいただき、誠にありがとうございます。」の言葉と共に「驚き」と「感動」を与え続けることができれば、商売人としての本懐を遂げるのではないだろうか。

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