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社長コラム:PRESIDENT’S COLUMN

vol.055『大空のサムライ』から70年...。

思いのままに移動するタケコプターを装備せよ!


アメリカ:1万2300機
日本: 27機

むむ、一体これは何の数字?

答えは「ビジネスジェット」と呼ばれるプライベートジェットの数。本誌に限らず年がら年中「スポーツの改革」について吠えてはいるが... 空の業界からみたら全然マシ、と言えなくもない。

東京オリンピックを控え、盛んに「世界一の都市へ」というスローガンが叫ばれているが、こうした現実に触れると虚しい叫びにしか聞こえないから困ったものだ。「世界一へのライバル」であろうニューヨーク、ここの「ビジネスジェット専用飛行場」の年間発着数は10万回を超える。それに引き換え、羽田空港は発着枠を大きく拡大してようやく2900回らしい。1日にすると300回vs8回... 例えようがない違いを例えてみると、どんなに下手くそのゴルファーでも300打は聞いたことないし、ジョーダン・スピースでも8打ではハーフも回れない...なんとも途方もない違いなのだ‼

こうなってしまっている原因をざっくり捉えると「ビジネスジェットの価値が社会的に理解されておらず、法律とインフラが整備されていない」という風に見える。つまり「そんなの贅沢だ!」という旧式の日本っぽい「社会主義的同一性」を是とする世論が大きな壁となってガラパゴス化し、世界から取り残されているのがその実態だろう。日本列島は山脈が中央に横断するため、空路のメリットが大きい。にもかかわらず、ヘリコプターやセスナ機などの短距離輸送機を含めて、空路開拓において相当な遅れを取っているのが不思議でならない。

ビジネスジェットに関して言えば「世界のトップ中のトップたち」が「ビジネスに」「政治に」「文化活動に」挑む際、"利便性を追求"して使用する「移動機器」である。決して"贅沢を追求"しているわけではないのだ。それにもかかわらず、事実誤認のためにインフラが整っていないとしたら、何ともったいないことだろう。

「あ、じゃあ日本はやめて、上海から北京に向かおう」

と、何人の「海外VIP」たちに、そんな決断をさせてきてしまったのだろうか。 

僕はケビン(米アンダーアーマー社CEO)のビジネスジェットにやたらと「便乗」する。

少なくとも年に10回は搭乗するだろうか。そこで見るのは圧倒的な「利便性」、そしてケビンのような「力のある要人」が直接、訪問することの凄まじいばかりの威力である。たった1時間の直談判が大きなビジネスにつながっていく様、そして中国などでは1日に2~3都市を「はしご」して、ダイナミックにリレーションを構築していく圧倒的な効率性を目の当たりにし「なんで日本はこうならないんだろう...」と、ビジネスの成果に反して個人的には少し暗い気持ちになる。

そう、ケビンは東京にもう数十回は来ているが、大阪にも京都にも一度も行ったことがないのだ。一番遠くて箱根、しかもたった2時間の滞在だった。もちろん、ケビンだけでなく、ステフィン・カリーも、ジョーダン・スピースも... ビヨンセもディカプリオもザッカーバーグも... 「世界の要人」は皆ビジネスジェットで移動するわけだから、東京は当たり前としても、地方自治体は積極的にこうした未来型の「空の便」を整備するべきではあるまいか。

僕自身を考えても「××? 直行便ないよね? 空港からタクシーで何分?」と、国内外問わず、移動に手間取る場所へのモチベーションがどうしても上がらない。それは決して今に始まったことではなく、創業当時より「自分の稼働率」を常々意識しているからに他ならない。「移動だけで1日が潰れてしまう」というのは物理的に「非効率」で、より便利な場所への優先順位が上がるのは致し方ない現実なのだ。

一方、ケビンのジェット内での過ごし方はと言えば... ボイスレコーダーを常時オンにしている敏腕秘書のMs.Jenを正面に座らせ、次のアポイントのプレビューを行い、相手のプロフィール、会談時のポイントやNG事項などを確認する。そんな作業から、まったく関係ないグッドアイデアが浮かんだり、急に沸き上がるやたら面白い話があったり... と、機内はかなり密度の濃い空間となる。そう、要人は寝る時間すら惜しいのである。機内打ち合わせが終わる頃には目的地に到着、ジェットに横付けされた大型ハイヤーに荷物が積まれ、機内で通関をすませて、ハイヤーに乗り込み、専用ゲートから目的地に向かう。どんな場所でもほぼこの手順で、ストレスよりも効率性の高さにむしろ気分すら良くなってしまう。某元知事が大好きだったファーストクラスなどはただ高くて広いだけ...「寝る」にはもってこいかもしれないが、効率性に関してはエコノミークラスとまったく変わらない。2時間前に空港に入る、通関で並ぶ、荷物を預け、荷物を待つ。仕事の最大のポイントである「生産性」を考えると、ビジネスジェットは「シートのランク」とはまったく違うカテゴリーの位置付けなのである。アメリカにおいては、ビジネスジェットを所有している企業はそうでない企業より圧倒的に業績がいい、というデータがあるのも頷ける。「生産性の高い企業だからこそ使える道具」でもあり「使うことにより生産性をより高めていく道具」とも言えるだろう。

...

先ごろ、安倍総理より「リニアモーターカー」の整備前倒しが発表された。うーん、20年後の日本の形はどんなだろう...。

ヒト や モノ

は、どのように運ばれ、どのような進化を目指すべきなのだろうか。人口が減少する局面下、我が国はこれからも国中にトンネルを掘り続けるべきなのだろうか。

最先端の情報。
好奇心というアンテナ。
過去の延長線上にない自由で柔軟な発想。

未来に責任あるリーダーは、自分の常識にいつでも猜疑心を持つべきだろう。一度でいいから「ビジネスジェット」に乗り海外を周り、1ヶ月間、多忙な日常で「ヘリコプター」を使い倒してみてはいかがだろうか。アメリカ、中国のインフラと日本のそれを比べてはいかがだろうか。「リニア前倒し」のニュースを見て、つくづくそんなことを思う。あらゆる体験を網羅して正しい情報を手に入れないと、正しい判断はできない。ましてや多くの人々の未来を担うのだから、当然のことだろう。

...

小学生のころ、なぜか「ゼロ戦」が大好きだった。ゼロ戦のエース坂井三郎氏の著書『大空のサムライ』は座右の書である。

実家は羽田、家を一歩出れば飛行機の尾翼が見えた。家業は古くから続く造船業で、ちょっと気取って言えば「陸と海」の拠点で生まれ育った。そんな自然とメカっぽさが混ざった環境下の昭和44年生まれ、戦後たったの24年ということもあり、幼少の頃は良くも悪くも戦争の名残はところどころにあった。

「駄菓子屋さん」で売っていた発泡スチロールの簡単組み立て軍用機の影響か、漫画雑誌に載っていた「笹井中尉の米軍機・三段跳び撃ち」の記事からか、意識せぬうちにゼロ戦が好きになっていた。同時に家業が造船業ゆえ「戦艦大和」にも心を奪われた。当時の日本が誇った「世界最大の不沈戦艦」であったから当然だ。最長射程距離を誇った46センチ主砲、相手の砲弾が届かない範囲から攻撃すれば物理的に負けることはない、まさに最強なはずだった...。

でも、戦艦大和に関する本を買い込み、あらゆるデータや実績、逸話などを吸収していくと... 戦艦大和が「就航当時からすでに時代遅れ」であったという「衝撃の事実」に行き着いてしまった。そう、この時すでに「空の時代」は始まっていたのだ。当時、小学生だった僕... 興奮がすーっと引いていくと同時に「どーん」とした重苦しい空気感に包み込まれた。興奮が無情感に、そして無力感に変わっていく感覚を今でも鮮明に覚えている。

それに引き換え、ゼロ戦は...

世界最強の1000馬力を誇った中島飛行機の「栄」エンジン、3000㎞を超える航続距離、可変三枚プロペラ、同調装置付き7・7㎜機銃、世界最大の20㎜機関砲、枕頭鋲にジュラルミン製の機体、などなど... 「世界最高」や「世界初」のオンパレード、前出の坂井三郎など「エース」を次々に生み出すなど実際に華々しく活躍、勝ち気でメカ好きの少年の自尊心を満たすには十二分であった。

この戦艦大和とゼロ戦、現代社会にも通じる示唆に富むストーリーを持っているのだが、めちゃめちゃ簡単に例えると...

ゼロ戦はスマホ時代を切り拓いた「iPhone」。
大和はスマホ時代に開発された最強スペックの「ガラケー」。

という感じだろうか。その上で日本軍は開戦当時に絶好調だったゼロ戦を最後まで使い続けてしまい、悲しい末路をたどることになってしまった。例えるなら...

日本は「初代iPhone」をモデルチェンジせず使い続けた。
米軍は「iPhone」を徹底研究し、新しいAndroid携帯を開発し続けた。

そんな感じで、ゼロ戦により「空の時代」の先鞭を付けた日本は反対に乗り遅れてしまった。

ゼロ戦のライバルとされた米軍機「グラマン」とは開戦当初の「F‐4」を指すが、大戦期間中に米軍機は「F‐6」「F‐8」と3世代もの進化を遂げた。言うまでもなくF‐6、F‐8ともゼロ戦の敵ではなかった。

と、残念な流れになってはしまったが、ポイントは"時代の最先端で、日本は世界の度肝を抜くような技術開発をした"という点にある。事の良し悪しは別にして、最先端技術が集積される軍用機の世界で、約80年も前に「ゼロ戦」という名機を開発したことは紛れもない事実であり、日本人そのものに大いなるポテンシャルを感じざるを得ない。ただ、どうしても「やり方」「あり方」がもったいないのだ... 雲を突き抜けるような爽快さがある一方、どんよりした閉塞社会からの甘美な誘惑に堕落する。日本はいつもそんな明暗の間を揺れ動いている気がする。そう... このコラムの主たる目的は、

「日本人はやればできるのに、自分でその可能性を閉ざしている」

という事実に、読者の皆様と共に向き合うことだ。

空気に流されるのか、長老支配にやられているのか、無知の知がなさ過ぎるのか...過去の偉人を見ても、信長のような型破りなヒーローがいたり、本田宗一郎のような破天荒で人情型の経営者が語り継がれたり、福沢諭吉のような大局観あふれる切れ者がお札になったり... と、世界に誇れる強烈な個性を持つリーダーたちが尊敬を集め続けてきたはずだ。そして、誰もが混沌とした無秩序や、閉塞感に満ちて硬直化した社会と戦ってきた人々だ。そんな状況を考えると、日本人が現在のような閉塞した空気を好きなはずがない、と思えてならない。

では、現代のリーダーたちのスケールはいかがなものだろうか?
彼らの社会と戦う目的はいったい何なのだろうか?

物質的なことも多いだろうが、もっともっと大空を突き抜けるような、活き活きとした活気に満ちた社会で生きていきたくはないだろうか! 国を、地域を、母校を、理屈抜きに誇れる場所にしたいのではないだろうか。

世界に衝撃を走らせた、めっちゃカッコイイ「ゼロ戦」が初めて空を飛んだ日から、すでに77年も経っているのだ。

...

先日の社内会議。

転職してきたばかりの池田特命担当部長(...昨年より日本IBM様とシステム開発のプロジェクトを組んでいるが、その責任者であった池田氏が故あってドームに転職、その直後に行われた会議にて...)から「店舗に在庫がなくてご迷惑をおかけしたお客様にはドローンで当日に物を届けるとか、そんなサービスを考えねばならないでしょう。倉庫や他の店には在庫があるわけだから」というご発言があった。

一瞬「このおっさん、一体何言ってんだ?」という反発感が頭を埋め尽くした。が、その感情を押し殺して数回呼吸をし、頭に酸素を回してみると、意外と妙案であることに気づく。そして「あ... なるほど... うん、検討しよう」と、数秒前の感情と真逆の回答をしている自分がいた。

そんな意味では、

「未来の物流」 や 「未来の動線」
 
についても、海外から専門家を招くなどして、より広く大きな議論が必要だろう。過去の経緯からリニアをやりたい気持ちは分からなくもないが「拠点間を単純往復する大量輸送装置」であることに変わりはない。多様性という欲望が解放されてしまった現代の動線は「コンパクト」で「フレキシブル」というコンセプトに移り変わっている。人の移動も含めて動線や物流を陸海空、あらゆる可能性を網羅した上で「どうあるべきか」「何を目的にするべきか」を徹底的に議論し、大きなビジョンを描く必要があるだろう。リニアはあくまでも単なる一つの方法論で、ビジョンにはなり得ない。

ケビンは個人的な力を割いてアンダーアーマーの本拠地、ボルチモアの街を再開発している。ビジョンは「ボルチモアを世界中の人々の"目的地"にする」である。その中身として「街に誇りをもたらすようなコミュニティーの形成」「街に入るゲートウェイからダイナミックなワクワク感の創出」「近未来型のライフスタイルを実現する世界基準の複合施設」という明確化された方針がある。すると...「渋滞や混雑のないスムースな人々の動線」という具体的なイメージがわき上がり、その一つの解決策として「Uber(ウーバー)」と提携して「水上タクシー」を活用、「水路」をITを使って整備する、などというワクワク感あふれるアイデアができ上がる。上流のビジョンがしっかりとしているからこそ、中流、下流という具体策までスムースにシナリオが組めるわけだ。

再びケビンの話。

「ニューヨークに来る世界のVIPたちに『俺に5時間だけくれ!』と言うんだ」
続けて、
「ニューヨークからボルチモアまでヘリで1時間、午後1時にニューヨークを発てば2時にはボルチモアに着く。新しくなったボルチモアの街を空から30分ぐらい見てもらう。その後はボルチモア再開発地の見学、社内ツアーでアンダーアーマーの世界観を実体験してもらう。そして午後5時にボルチモアを出ればニューヨークでの7時のディナーに間に合う。最高だろ!」

ケビンはさらに続けてこう言った。

「もともと、お前が言っていたアイデアだぞ。『ドームは東京にあるから日本中からVIPを呼ぶチャンスがある』って。なるほど... そうしたら、ヘリで1時間と考えるとニューヨークもボルチモア圏内だろ!」

そんなことを言いながら、いつもの悪戯っぽい満面の笑顔で、黒いUAカラーのヘリコプターの写真を見せてくれた。ケビンのヘリコプターは、自宅の庭やアンダーアーマーの本社脇の空き地など、あらゆる所に出没する。実際、UAヘリコプターはケビンだけでなくアンダーアーマー幹部、あるいはVIP選手の移動などに大いなる効果を発揮しているのだ。

ヘリコプター話でもう一つ。

ドームいわきベースが本格稼働し、同時にいわきFCの公式戦も始まり、ドーム全体でいわきと東京の「行ったり来たり」は急増中だ。ただ、この「いわき市」、新幹線が通っておらず、車で行くか特急で行くかいつも迷う距離でもある。いわきで行われる行事には極力参加したいが、電車でも車でも約3時間、往復6時間かかるわけで、やはりこの移動時間がネックになってくる。

そんな中、いわきFCの記念すべき開幕戦。お客様に最高の体験をしてもらうため、コラボレーティング・アーティスト「加藤ミリヤ」さんをお招きして「欧米のように、スポーツと音楽を高次元で融合」させるという目標を設定し「国家独唱」を企画立案した。ただこの加藤ミリヤさん、ツアー直前ということでリハーサルで大忙し、日程は空いているが往復6時間というのがネックとなる。...中略して...「よし、ヘリコプターで行こう!」という今手専務の号令で「いわきFC開幕戦、加藤ミリヤ国家独唱」が実現した。
いわきのサッカーファンたちは「加藤ミリヤ」という日本を代表するアーティストの歌声を直に聴くことができた。試合中はいわき市長も市議の先生も加藤さんと歓談し、来年のいわきでのライブ開催の話が出るなど「加藤ミリヤという個人の移動」の威力は破格だった。

東京からいわきまで、直線距離にして約180㎞。たった45分の移動時間であった。これであれば、どんな「要人」もいわきに招待できる、いわきもドーム圏内だ! などと考えると、ワクワク感でいっぱいになる。ただ... 法規制により、東京ドーム3個分の面積を誇るドームいわきベースにヘリコプターを着陸させることができなかった。何とか近隣のゴルフ場にある臨時ヘリポートを探して着陸できたが、そこから車で約20分ほどの移動を余儀なくされた... 規制緩和をしてくれれば、こうした「派遣効果」は一気に地域へ広がり、違うジャンルとしての航空業界という新たな経済が生まれる。いいこと尽くめだ。

そう考えると東京から半径約300㎞圏内は「要人を東京から"簡単に"連れ出すチャンス」があると言える。ビルの屋上を含めて小さな空き地さえあれば限りなくピンポイントで目的地まで行ける。東京を中心として半径300㎞の円を描いてみると、名古屋や金沢、佐渡島、仙台、八丈島などがその範囲となる。道や線路の「曲線移動」に対し、空の移動は「直線移動」。国土の狭い日本では「ヘリコプター」のポテンシャルはかなり高いと言えるだろう。

街にヘリポートさえあれば「そのVIP」はあなたの街にもやってくるかもしれない... if you build it, he will come...

...

最近「ビル・ゲイツ」が軽井沢に「巨大な別荘」を建てた。当然ながらヘリでの移動が前提だ。

過去に一度でもその場所を訪れなかったら、その場所の空気を吸わなければ、そんなことは絶対に起こらなかったはずだ。そして、軽井沢に別荘があることで、彼が日本にくる機会は飛躍的に増えるであろう。彼は世界一の起業家であり、資産家であり、慈善事業家である。そんな人物が度々日本の地を訪れて、日本の可能性を感じ、新たなビジネスアイデアが浮かんだら、どれだけエキサイティングなことだろう。東京から約130㎞、ヘリコプターで行けば都心のビルの屋上から、彼の別荘までたったの30分ほどだろう。世界一のビジネスマンが、軽井沢に家を建て、軽井沢の空気を吸い、軽井沢の水を飲み、軽井沢の自然を食する。いろいろな可能性が広がりやしないだろうか。
反対に言えば、何もしなければ「彼」は来ない。来なければ何も起こらないのだ。それがロジスティクスの現実だろう。そんな意味でも、

「縦横無尽に広がる果てしない空」
「誰にでも平等に与えられている大きな空」

というインフラを、最大限使うべきだろう。

...

『天才』

石原慎太郎元東京都知事は、田中角栄を描いた小説を上梓した。

田中角栄は「新幹線」や「高速道路」を日本に張り巡らせ、地方の工業化を推進し、過疎と集中の問題を同時に解決する「日本列島改造論」という壮大なビジョンを描いた。
結果として、日本の経済は大いに発展したが、40年経った現代は時代が移り変わり、地域格差は解決どころか悪化してしまっている。ビジョン自体が素晴らしいが故、方法論までが自在さを失い、いつまでたっても田中角栄の発想から抜け出せないのが現状ではあるまいか。方法論は人口減やテクノロジー発達など、周辺環境により柔軟に対応するべきだろう。

小さな荷物が当日にどこにでも届くドローン網の開発を推進すれば、都市部では消費促進と渋滞緩和、環境改善につながり、過疎地では郵便局などインフラコストの削減のみならず、一人暮らしの老人の食事や薬の配達などが期待できる。それこそ「日本列島を再改造」してしまうぐらいの威力があるだろう。

ビジネスジェットの活用を推進し、海外の要人が日本の各地に直接ストレスフリーに降りられるようにする。ヘリコプターの規制をどんどん緩和し、ビルの屋上から屋上へピンポイントの移動を可能にする。半径300㎞の円が日本国中を覆い尽くし「ヘリコプター大国」となる。

セスナ機の活用を推進...小型セスナはマイカー感覚、タクシーやウーバーのようにチャーターや乗り合いも可能。中型機は10分おきに拠点間を往復するシャトル便としてバンバン運航させ、鉄道に匹敵する効率性を生み出す。大型機の運航がない地方空港をセスナでつなぎ、活性化させる。

この三つが折り重なるように結び付いた時、日本の動線、物流はまるで違う世界になっているのではないだろうか。そもそも夢のような話でワクワクしないだろうか。

いみじくも石原慎太郎が都知事になった時、「空の時代」の幕を開けるべく羽田の国際化と横田の米軍基地の民間利用をその政策に掲げた。

少なくとも、箱根ですら「2時間滞在」のケビンのような要人が、新幹線やリニアのような大量輸送装置を利用することはあり得ない。ビル・ゲイツが新幹線のホームでグリーン車の列に並んでいる姿を想像できるだろうか。

そもそも彼らのように日本をこよなく愛する親日家の要人には、本当に満足いく体験をしてほしい。日本は何て先進的で便利な国なんだ! と思ってほしい。
日本人にも、よりフレキシブルで多様性のある交通インフラを体験してほしい。

毎年楽しみにして行く場所。
今日中に届けたい小さな荷物。
時間が見えない中での柔軟な出発時間。
今夜中には戻らなければならない要件。

外国人も、加藤ミリヤさんも、荷物も、薬も、もっともっと気楽に気軽にそこに辿り着くことができたとしたら、どれだけ夢が広がるだろうか。ドローンなどの工業技術とITがモノや人を結び付け、距離や山という物理的なハードルを越えていく。むしろそこを目標に据えて、たくましく前進する。

「空の時代」

に乗り遅れたかつての日本。世界最新鋭の呪縛から抜け出せなかった、かつての日本。
戦艦大和とゼロ戦... 国家の存亡をかけたこの二つのプロジェクトから、学ぶべきことは大きい。

同じ過ちを繰り返さぬよう「ファーストクラス」と「ビジネスジェット」の違い、そして「要人」が移動することの価値を実体験すること。

ワクワクドキドキする、活き活きとした地域づくり、目的や経済力が違うあらゆる種類の人、そして大小、長短さまざまな物が思いのままの場所に、縦横無尽に運ばれる多様で柔軟な物流、交通網ができること。

世界中をジェットやヘリで縦横無尽に飛び回るケビンに付いて回る。

澄み渡る有明の空を眺める。

幼い頃に家中に鳴り響いていたジェット機の爆音を思い出す。

「でっかい空」は大いなる資源。その無限の可能性はそのままイコール日本の可能性と言えるだろう。

「タケコプター」が現実になる世界を作っていこう‼︎


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※本コラムは、「Dome Journal vol.36」に掲載されたものです。
http://www.domecorp.com/journal/

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