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社長コラム:PRESIDENT’S COLUMN

vol.046グローバリゼーションの荒波を勝ち抜くために

国際化、グローバリゼーションの時代と言われて久しいです。

でも、日本では「ガラパゴス化」という言葉も同時によく聞かれるように、海外からポツンと取り残されている状態が散見されます。"ガラケー"というのも、ガラパゴス携帯の略だと知らずに、いつの間にか普通に使われる言葉になってしまいました。そんなところに日本の抱えている問題の一部が凝縮されているとも思えます。「ガラパゴス化を認識している人がいる。でも、何も知らずにガラパゴス化している人々が大半である」という日本の実態が透けて見えます。

インターネットを通じて最新の情報が瞬時に飛び交う英語圏の国々との情報ギャップは開くばかりです。今でこそあまり聞かれなくなりましたが、かつての日本のスポーツ業界では「筋肉を付けすぎるとパフォーマンスが落ちる」であったり「走り込み」が最高のトレーニングとされたり... というガラパゴス現象が広く見受けられました。最近になってようやく日本のスポーツ界でも正しい情報が入るようになったと感じています。

近年のオリンピックやWBCでの好成績、かつては不在という時代もあったボクシングの日本人世界チャンピオンが現在は八人もいたり、ラッキーゾーンのない甲子園でホームランを連発したり、150kmの直球をビンビン投げる高校球児が増加したり... などなどが、そのことを証明していると思います。

競技としての情報が徐々に浸透し、パフォーマンスが上がってきたのであれば、次は産業として育成すべきスポーツ関連の情報を浸透させないとなりません。

ドームジャーナルにて何度もご紹介していますが、アメリカのスポーツ産業は過去十五年で約三倍という急成長を見せています。それに対して、日本では同時期に約20%も市場が縮小してしまっています。その大きな原因の一つに補助金依存によるスポーツ団体の運営という点があると思っています。本誌が皆様のお手元に届く頃にちょうど幕を閉じるソチオリンピック。大いに盛り上がり、たくさんの感動をもらったことと思います。では、国内の大会はどうでしょうか? オリンピックのメダル獲得数が補助金の増減と関係しているため、競技団体は国内の大会や競技自体の育成とマーケティングを怠り、国内のスポーツ大会はどれも空洞化しているのが実情です。

怪我をおして無理に出場した日本人選手の痛々しい状況を横目に、米国アンダーアーマーが契約するアメリカの女子アルペンスキー選手は早々に怪我による出場辞退を発表しました。彼女の年収は約三億円と言われています。「帰りはメダルをとってビジネスクラスで帰ってきます」との言葉を残し、ある日本人有名アスリートが成田空港を出発しました。スノーボードの世界チャンピオンで五輪三連覇を狙う米・ショーン・ホワイト選手は年収八億円と言われています。いずれも見る/参加するスポーツとして国内の大会やマーケティングに投資をしてきた成果です。それに比べ、世界で戦う日本人アスリートの払う代償は果てしなく大きく、その報酬は限りなく寂しいものです。

世界を見て、産業化への道を切り開き、スポーツが産業として自立する。
グローバリゼーションの荒波の中、勝ち抜いていくには自らその荒波に飛び込み、改革を断行しなくてはなりません。
東京オリンピックまであと六年。スポーツ産業が真の成長産業となるべく、まずは世界の情報に耳を傾け、ガラパゴス化から抜け出すことから頑張って参りましょう!

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