vol.030日本の象徴 「富士山」
昔、友人の結婚式に出席した際、神父からこんな説教があった。
「遠くから見ると雄大で美しく見える富士山も、実際に登ってみると石がごろごろして埃っぽくゴミも多い。
結婚生活もそれに似ている。外から見ると綺麗だけど、実際の生活はそれほど美しいものではなく、
いつの日か不平不満がたまっていくものです。
不平不満を感じるより、当初感じた外から見た美しさを忘れない事、その上で小さなゴミをひとつずつ拾っていくこと。
そうすれば幸せを感じられるはずです。」
これは、結婚生活だけではなく、仕事をする上でも同じではないだろうか。
「遠くから見て美しい」という、常に大きな絵を描き、それを心根に据え、お互い共通認識、共通ゴールを持ちながら、
小さな石やゴミを拾うからこそ、理想とする仕事の進め方が出来るのだ。
とにかく、何より大事なのは外から見て、大きく見て美しいかどうかで、目先の小さなゴミを拾っているだけだと、
とかく大きな絵を忘れがちになって、本来のあるべき姿を見失ってしまう傾向にある。
反面;
「富士山のゴミを拾う事は重要ですが、足元が完全に綺麗になる事はない。」
でも、富士山は富士山で、永遠に日本の象徴として世界に誇るブランドであることに変わりない。
拾うゴミより、多くのゴミが捨てられたら、より汚くなるのは単純明快な論理である。仕事もそうなりがちだ。
ゴミを出さないこと。
根元で問題を把握すること。
根元の問題解決に執念を持つこと。
完璧な仕事など存在しないし、そんな物を求めても意味がないと思う。
常に根っこの部分を改善する。
登りながら改善する。
捨てるべきは捨てる。
根こそぎ解決するために、大きな美しさのために、時には拾い忘れたゴミは放っておく勇気も必要ではないか。
日本人はとかく細かいこと、よくよく考えたらどうでもいいこと、ナンセンスな事に力を注ぎすぎる傾向にある。
実際、日本人の一番いい部分ではあるが、大切なことは、その性質・傾向を知っておくことだ。
一番いけないことは、それは「無思考でいい加減」、そしてその次が「無自覚」である。
「根こそぎ解決するにはどうしたらいか?」
「結局、美しく見られるためにはどうしたらいいか?」
しっかりと事象を認識しコントロールした上で、ある程度ものごとを捨てながら登っていくこと、前に進むことが必要だ。
「すぐには出来ないかも知れないが・・・」ではなく
「今すぐやる。」
今日出来ないことは明日できない。
気になること、改善すべきはすぐに改善していく。
今日すぐに改善は出来なくても、改善プランは立てられる。
「こうしたい」と思っているだけでは絶対に実現は出来ない。
大事なのはとりあえず「やる」こと。
問題が起こるも知れない、中途半端になるかも知れない。
でも、ビクビクしてもモジモジしても何も始まらない。
さあ、今日も新しい一日が始まります。
泣き、
笑い、
哀しみ、
喜び、
皆と手をとり、
助け合い、
励まし合い、
精一杯頑張りましょう!