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社長コラム:PRESIDENT’S COLUMN

vol.001Ask Your Inner Voice... 心の叫びを聴け...

「心の叫びを聴け」

僕は起業家であり、スポーツマンであり、日本人であり、男であり、31歳であり、心身ともに健康であり、、、で、何はともあれ人間である。振り返ってみれば30年余りの人生、「いったいお前はなんなんだ」や「お前はいったい何がしたいんだ」と、自分への問いかけばかりをしてきた気がする。その「自分への問いかけ」すべては人間として幸せに生きていくためのヒントの探求であった。その「問いかけの人生」において分かったこと... 「答えは常に自分が握っている」ということ。 そう、心はいつも叫んでいるのだ、「俺は本当はこれがしたいんだ!」と。その叫びを聴けた人は、人生の主導権を握ることができると確信する。


ドーム渾身のスポーツ総合サイト「DOL2001」におけるこのコラム、内容は色々なことを書くつもりである。ただ物心ついたころからずっとスポーツばかりやってきた僕であるが故、内容もスポーツに関連することを中心としていきたい。スポーツは僕にとって人生の縮図、グランドで学んだ沢山のことは「僕だけの宝物」なのである。スポーツによって心身ともに鍛え上げられ、友と共に激しい感情からなる悲喜を心のヒダに刻み込み、勝負の分岐点における決断力を身に付け、多数の猛者を率いる統率力を学んできた。その過程において、あれこれ悩みも多く色々な人に相談にのってもらったが結局のところ、「自分自身による回答」というものがもっとも「正解率」が高いといことを学んだ。むしろ、自分で出した回答は仮に間違っていたとしても、それはそれで次に生きてくる、、、という副産物に恵まれることを加味すると「すべてが正解であった」といっても過言ではないかも知れない... だから「心の叫びを聴け」。いつも等身大、感受性を研ぎ澄ませ、感じたものを感じたままに。

Control Your Destiny, Or Someone Else Will... Jack Welch, GE Chairman & CEO (自分の運命を支配するか、誰かにされるのか... ジャックウエルチ、GE社会長兼CEO)


―――― 考えてみればいつでもそうだ。頼れるのは自分だけであったはずだ。そんなものは永遠の真理であって、今更声を大にしていうことでもないであろう...。 でもどうだろう、気付いて見ればいつも不平不満ばかりを口にしている自分がいる、分かってて悪事を働く自分がいる、今の自分が嫌いな自分がいる、夢を捨てた自分がいる...。

  僕に言わせれば「いい時代」の到来だ。すべてにスタンダードが存在する画一化された社会なんて面白くも何ともない。明日、何が起こるか分からない方がよっぽどワクワクする。もしかしたら、明日には億万長者かもしれない!?

  一昔前、「一流大学に行きたい!」と「南無阿弥陀仏」は日本人とっては同じくらい大切な念仏だった。 「南無阿弥陀仏」には「極楽浄土」への切なる思いがこもっている。また「一流大学」に潜むキーワードは「一流企業への就職」や「安定した生活」であることはいうまでもいうまでもないだろう。でも「南無阿弥陀仏」と「極楽浄土」の関係とは違い、「一流大学」や「一流企業」と「安定した生活」は直結しなくなっている。むしろそこへの拘りが大きなリスクになっているケースも多い。TVのトーク番組に出演してた「楽天」の社長、三木谷さん曰く「今の時代は動かないことのリスクの方が大きい」と。これは「後悔するかしないか」という使い古された精神論だけでなく、実態としてのリスクを語った言葉である。みなさんも内在した自己の「力」を「誰かの懐」のために使ってはいないだろうか? 「山一證券」「拓銀」「長銀」「そごう」「長崎屋」「横浜フリューゲルス」etc... 「俺は何にも悪くない!」 そう叫んだら神様は救ってくれるのだろうか? 損をしている人がいるということは得している人がいる、ということも理解すべきだろう。


―脱線―

精神論による統制。これはスポーツで本当によく使われる技法(疑法?)だ。でもこの精神論を本当にちゃんと操れる人がいるだろうか。「精神論」とは本来、すべての具体論が解決した上に成り立つ言うなれば苦行の末、ようやくたどり着いた「悟りの境地」にいる「お釈迦様」的な人のみが使える技法である。「精神的に弱いからだ!」負けた試合の後、監督コーチからでるもっとも多い言葉の一つ。僕はこの言葉を聞くと吐き気をもよおす。大袈裟ではなく、TVインタビュー等でそれなりのポジションにいる人がこんなセリフを吐こうものならTVをぶっ壊したくなるくらい、嫌悪感を覚えるのだ。無能な人が実権を握っているという事実が全く持って堪えられない。この「精神的に弱い」という言葉には非常に大きな危険が潜む。

1)具体的根拠の欠如
「精神的に弱い」とは具体的にどういうことだろうか? 数値で示されるのだろうか? そもそもスポーツは「粉飾決算」などありえない、公明正大なる数字の世界。そんな世界でこんなアヤフヤな物差しを示すことにより、選手は混乱する。混乱=分かりにくい⇒指示の形骸化⇒選手の不信感⇒弱者集団、とスライド式にチーム力は低下する。その言葉を吐くことにより監督コーチが率先して自らの指導力を低下させる、という結果を導く。

2)本質論からの逃避
勝敗にはいろいろな要素が絡み合うが、近代スポーツにおいて、もっとも大きな要素は「戦略」、「戦術」、「体力」、「技術」の4つが最大のモノである。これらが基礎中の基礎となり、チームなりアスリート個人の成績を支える。でも、「精神的に弱い」はこのいずれにも属さない、まったく「些細」な事柄だ。「いやいや精神面の成熟があって初めて勝利がある」、という人もいるだろうが僕はまったくそうは思わない。精神的に成熟した選手とは果たして誰だろうか。平成の名横綱、貴乃花なんかどうだろうか。彼の精神力がズバ抜けているのは誰もが認めるところだろう。でも、彼が「バッターボックス」に立ったところで、「全国大会優勝の中学生エース」の球には「かすり」もしないだろう。あの横綱が、精神を研ぎ澄まし、集中力を全開にしたところで、バットは空しく空を切るだけだ。本来精神力とはその程度のもので、常に大きな問題は基本的な「戦略」であり、それを実行していく「戦術」であり、相手を打ち負かす「力」であり、それらすべてを具現化する「技術」なのだ。これらが十分に備わっていれば、自ずと自信が沸き危機的状況でも最高のパフォーマンスを発揮できる精神状態を保つって訳だ。マイクタイソンやデニスロッドマンに健全な精神が宿っているとは到底思えない。生活態度に至っては模範とは正反対だ。でも、彼らは常に世界のトップに君臨している。これが現実だ。勝利を勝ち得るにはこの現実をしっかり見つめなくてはダメだ。しっかり分析すれば、敗因の大抵は上記4つ要素のどれかに行き着くはずだ。これを端的に把握し、対策を練ることにより、指示に明確さが生まれ、選手が理解しやすくなり、チーム力は向上する。

僕は自らを奮い立たせるための「自分への精神論」は大好きだが、他人には決して言わない...。


―脱線終わりー


「プロ野球選手」が夢だった。本当に野球選手になりたかった。でも、その夢は中学生のとき、12歳にして簡単に砕け散った。中学校に野球部がなかったのだ。夢とはいとも簡単に砕け散るものだ。でも、夢なんて、そんなちっぽけなきっかけで簡単に散るものなのだろう。普通の12、3歳の子供に、大勢に抗ってまで夢を実現させるだけのパワーはまず、備わっていない。当時の僕にとって夢を諦めるのは(ほんの少しだけ)ツラったが、どうしようもなかった。

でも、それから20年近くたった今、憧れてたプロ野球選手と仕事をする機会を得た。それも「サプリメント」や「トレーニング」指導というその選手自身の実力向上に寄与できる、という魅力ある仕事だ。僕はこの仕事を「雇われパーソナルコーチ」に近い存在の仕事だと思っている。なんて素敵なことだろう。サラリーマンを辞めてから、考える時間が増えた。否、考えざるを得なかった。心の叫びを聴かざるを得なかった... そして、消えたと思っていた火が燻ぶっていることに気付き... コツコツとその火を育て... 今はメラメラと烈火のごとく燃えたぎっている。勿論、プロ野球選手という本来の夢を果たした訳ではない。でも、そんなことはどうだっていいのかも知れない。とにかく今、憧れていたプロ野球選手と仕事をしている自分の心が燃えているのだから。


大学生を卒業し、社会人になるにあたって具体的な「夢」を3つ描いた。かなり恥ずかしいが、このコラムは「等身大」ということで列記してみる。

1) 貿易会社社長
2) NFLもしくはNCAA日本人初のプロコーチ
3) 作家

で、一応、夢#1に就いては現在既に達成している。でも実際なってみると「社長になる」というのは「夢にはならない」ってことに気づいた。だって、やればなれるんだから。でも、一応当時の夢は果たした。夢#2については、98年NFLヨーロッパというNFLの下部組織のリーグにて日本人コーチとして初めて招かれた。(勿論アプライした上での招聘であるので、これもちょっとズルか。) コーチ業の実態はコピー撮り等雑務の連続であったが、どの業界でも下積みとはそんなものだろう。で、この夢#2、誇り高く(一応)実現済み。夢#3、作家についてだが、僕は小さいときから読書が好きで、あらゆる本の「いい」影響をやたらと受けて育ってきた。特に「宮本武蔵」や「三国志」は僕の人生のバイブルとなっているのだが、初めてこれらの本に触れた時の感想は「吉川英治ってだいぶ前に死んでいるんだなあ。でも死んだ人間からこれほどの感動を受けるなんて、、、本てすげえ。」というもの。時代や自分の肉体をも凌駕し、永遠に人の心を捕らえることができるモノカキというものに憧れた。で、今、、、一応その夢に向けてこうしてせっせと指を動かしてます! 活字じゃないと作家ではない、という概念をはずせば既に僕は作家? この夢、僕的には少し実現。


そんな訳で、だいぶインチキではあるが、夢はすべて達成している。夢なんて具体的にちゃんと踏み出せば確実に近づくものだ。さらに、その夢に向かっているだけでなぜかやたら楽しくなる、楽しくなると力が発揮できる、力が発揮できると自分が「社会の役に立つ」、「役に立つ」と生きている実感が湧く。つまり、あなたの人生が夢や目的にちゃんと向かっているかどうか、それが重大なポイントなのだ。達成したかしないかはたいした問題ではない、ちゃんとその方向に進んでいれば夢は確実に近づき、上記のサイクルが成り立つ。もし、今の人生が本来の夢と全然違う方向へ進んでいるなら、できるだけ早く方法修正したほうがいいだろう。冒頭に記載した通り「動かないリスク」を考えると明日にでも何かアクションを取るべきと思う。アクションは人それぞれ、転職でも部署移動でも、留学でも何でもいい。とにかく何かしてしまおう。 「俺はいったいなんなんだ。」「俺はいったい何がしたいんだ。」 心の叫びを聴け。 自ら聴かねば絶対に聴こえない心の叫び。とにもかくにもまずは心の叫びが聴こえるようになるまで、心に訊いて見て下さい。心は必ず何かを叫んでいるはず。

栄えある第一回、スポーツからはかなり外れたが、僕の格言で締めくくります。 「夢を持って生きる人、生きるために生きている人。 夢を持たずに生きる人、死ぬために生きている人。」
自分の人生、言い訳無用...。

(おまけ=格言その2:「海外赴任者の冷蔵庫に必ずあるのは"ごはんですよ"」...。)

Ask your inner voice,

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